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タバコがお口の中にあたえる影響とは?

タバコを吸う方も吸わない方も、タバコが体に悪いという話はよく耳にされると思います。しかしぼんやりと悪いというイメージがあるものの、具体的な内容をご存じない方も多いのではないでしょうか。

タバコの体への影響の中でも、お口の中に悪影響を及ぼすという話を一度は聞いたことがおありかもしれません。タバコを吸う場合、タバコの成分が最初に通過し付着するのがお口の中ですので、お口の中への影響は大きいです。
喫煙はからだに本当にさまざまな影響をもたらしますが、今回はその影響をお口の中へに限定した内容でお伝えいたします。実はたばこを吸う方と吸わない方だと、お口の中の状況が大きく変わってきます。とくに、歯が無くなるスピードが喫煙の有無でかなり違ってきてしまうのです。
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お口の中の粘膜には、さまざまな成分を吸収しやすいという性質があります。
舌の下や歯茎と頬の間に入れて溶かす「舌下錠」というタイプのお薬がありますが、これはお口の中の粘膜から薬の成分を体内に直接吸収させることを目的として作られています。お口の中は薬の成分を吸収しやすいため、飲み込むよりも素早く全身に成分が行きわたり、すぐに効果が出てくれます。
舌下錠は例えば狭心症の発作の薬に採用されています。この発作はすぐに対処しなければ死につながるため、素早く吸収できるものでないといけないからです。
お口の中はそれほどに成分を吸収しやすい場所なので、もちろんタバコの成分もしっかり吸収してしまいます。

タバコの成分はお口の中を通過していくだけではなく、お口の中に付着してとどまります。タバコを吸う方でしたら、タバコを吸っていると歯にヤニが付着することをご存知だと思います。
tobacco003ヤニはこのようなかたちで歯の表面に黒く付着するので、見た目にも良くないものですが、実は見た目以上の悪影響を及ぼしています。ヤニがつくことで歯の表面がざらざらになって、ヤニ以外の汚れもつきやすい状態になってしまうからです。つまり、ヤニは虫歯菌や歯周病菌が歯の表面に住み着くための足場のような役割をしてしまうのです。こうした病原菌がたくさん歯に付着し続けることで虫歯や歯周病になりやすくなってしまいますし、口臭などの原因にもなってしまいます。

そしてこのヤニにはニコチンが含まれています。このニコチンが少しずつ滲み出し、お口の中に効率よく吸収されていってしまうのです。
ニコチンには血管を収縮させるはたらきがあります。
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歯茎の血管が細くなってしまうことで血液が流れづらくなり、老廃物が流されず血管内にとどまるようになってしまいます。また、栄養素や酸素などの必要なものも行きわたりにくくなってしまいます。

そして流れている血の量が少なく、血管も細くなるため、歯茎を刺激しても出血しにくくなってしまいます。
出血しにくくなるというと良いことのように感じます。ですが、良いのは炎症がおさまったために出血しなくなった場合です。ニコチンの影響で血管が収縮している場合、実際は炎症が起こっているのに血だけが出ないという状態になってしまいます。ですので、炎症を起こしていることに気づきにくくなってしまうのです。

歯周病はもともと自覚症状が非常に少ない病気です。歯茎から血が出ることで初めて自覚する方が多いのですが、血が出るところまで進行した歯周病はすでにかなりの重症です。それでも血が出ることで「病気かも」と思って歯科医院に来て頂けると、少しでも早く治療を始めることが出来ます。

歯周病は最終的には歯が抜けてしまう病気です。歯が抜けてしまうとその後の治療方法はかなり限られてしまいますし、生活の質にも大きく影響します。ですので歯科医院としては、すべての方にできるだけ多く自分の歯を残して頂き、できるだけ長く自分の歯を使って生活して頂きたいと思っております。そのために少しでも早く歯周病の治療を受けて頂きたいのです。
タバコの影響で血が出なくなってしまうと重度の歯周病に気づくことができず、歯が抜ける寸前まで気づくことが出来ないというリスクがあります。

さらに、ニコチンには体の免疫力を低下させてしまうというはたらきもあります。歯周病は歯周病菌が引き起こす感染症ですので、免疫力が低下するとかかりやすく、症状も悪化しやすくなってしまいます。
また、口腔がん・咽頭がんのリスクも跳ね上がってしまいます。

こうしたタバコの影響は、タバコを吸っておられる方だけではなく、まわりにたばこを吸う方がいらっしゃる場合にも影響が出てきてしまいます。受動喫煙(自分はタバコを吸っていなくても、周りの人が吸っている煙を吸ってしまっている場合)や三次喫煙(タバコの成分がついたものが近くにあるせいでタバコの成分を吸入してしまっている場合)でも、お口の中への影響があります。

こうした症状や影響は、禁煙することで改善されていきます。
お口の中のことを考えた場合、禁煙して頂くことをお勧めいたします。
また、お口の中の管理を非喫煙者の方(喫煙者が周囲にいらっしゃらない非喫煙者の方)以上に気を付けて頂く必要があります。喫煙しておられる方・喫煙しておられる方が近くにいらっしゃる方で、歯科医院での定期検診を受信しておられない場合は、ぜひできるだけ早く受診するようになさってください。

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